私たちの「思い込み」に気づく本棚~ジェンダーと読書~

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撮影/浜村達也(講談社写真部)
@日本出版クラブライブラリー  入場無料 平日10時〜18時(土日祝日は閉館)

今日の社会において、性差や年齢によるあからさまな区分・差別は減らされつつあり、
私たちひとりひとりにも、それなりの心構えができてきた、と思うこの頃……なのに
ふとした瞬間にはっと気づかされる、自分の中にたしかにある「思い込み」

仕事の場で「事業責任者を紹介します」と言われたとき、
友人から「わんぱくで困ってる」とこぼされたとき、
誰かの知人について「お菓子づくりが趣味」と聞いたとき、あなたは、どんな人物を思い浮かべるでしょうか?

まったく悪気はなく、自然に思い描かれるイメージやシーン、
「女なのに」「男のくせに」「子どもだから」と心のなかでささやく声、
それらは、どこから来たのでしょうか
いつから、持っていたのでしょうか
生まれたときから? それとも……

いつのまにか抱えていたこだわりや偏見から
他の人の言動に腹を立てたり責めたり、
自分の気持ちや将来を制限してしまったり

そうした枷の存在に気づいて、その謎を解き、
ひとつひとつ外していくことが、
人がその人らしく生きる第一歩になります。

ここに集められた本は、
一足早く不自由さや不自然さに気づいた著者から
私たちへの示唆とメッセージに満ちています。
誰もが願ったとおりの人生を生ききる、
そんな世界への願いを込めた本棚へようこそ。

 

パートナー
夫婦、恋人、彼氏彼女……一緒に生きると決めた二人だからこそ、しあわせになりたい一心で揉める、迷う、傷つける、我慢する。最初に願ったはずの「ずっと仲良く」人生を送るために必要なものはなんだろう?
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親子
縁が生まれた瞬間からはじまる関係……互いを選んだわけじゃなくても否応なし。日常をともにしながら愛情の名のもとに遠慮のないやり取り、甘え、過大な期待までが行き交う。「子どものくせに」「親なのに」をやめたらなにが?
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仕事
夢、生きがい、生活……「生きる」ことを実現する場だから競争も焦りも情熱もある。上下関係もあれば性差もある、お金まで絡んで、事はますます複雑に。みんな真剣だから摩擦も起きる。正解なんてあるのだろうか?
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世の中
政治、習慣、しきたり、マナー……知らないうちに流されていく。否、流されていることにも気づかない。違和感に声をあげても届かない怒りと諦めも漂う。「一人ではどうにもできないこと」は変わってきたのか?
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教育
学校、塾、スポーツクラブ……教え教わる場だからこそ、見たこと聞いたことがそのまま心に沁み込んでいく。何気ないひと言や行動が未来を決めていく。知らずに何かを押し付けてはいないだろうか。伝えるべきは?
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スポーツ
跳んだり投げたり走ったり……生涯をかけて挑む気持ちに嘘はない。アスリートたちが純粋に打ち込む時間とチャンスを守るために必要なものを、いま皆が探している真っ最中。いったいどこに超えられない壁があるのだろうか?
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お金
お金で買えないものこそが大切……でも「衣食足りて礼節を知る」とも。生きていくため、楽しむためには買えるものが必要なのも真実。一所懸命働いても、もらえるお金に差があるのはなぜ? 誰かが、何かがわるいのか?
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「小さな本の展覧会」企画
日本出版クラブ
ライブラリー委員会
日本出版クラブ ライブラリー委員会
約400の出版社からなる、一般財団法人日本出版クラブは「出版文化の発展」を目的として、図書の寄贈や復興支援、出版に関する調査研究、セミナーなどを行っています。
2018年、本の街・神保町に移転、出版クラブビルが建設されました。メインエントランスには、天井高8メートルを超える「クラブライブラリー」があり、全国の出版社から寄贈された「未来に残したい本」約7000冊が収蔵されています。
ライブラリー委員会では、「クラブライブラリー」にて年に数回、小さな気づきを得るための「小さな本の展覧会」を企画、開催しています。

「小さな本の展覧会」監修
幅 允孝
(はば・よしたか)
Haba Yoshitaka
@yoshitaka_haba
有限会社BACH(バッハ)代表。ブックディレクター
人と本の距離を縮めるため、公共図書館や病院、動物園、学校、ホテル、オフィスなど様々な場所でライブラリーの制作をしている。2018年から日本出版クラブライブラリー「小さな本の展覧会」構成を担当。
最近の仕事として札幌市図書・情報館の立ち上げや、ロンドン、サンパウロ、ロサンゼルスのJAPAN HOUSEなど。2020年7月に開館した安藤忠雄建築の「こども本の森 中之島」ではクリエイティブ・ディレクションを担当。近年は本をリソースにした企画・編集の仕事も多く手掛ける。早稲田大学文化構想学部、愛知県立芸術大学デザイン学部非常勤講師。
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