本を生きる糧としてもらいたいという願いから、1947年に始まりました。
全国の矯正施設や児童福祉施設、母子生活支援施設などへこれまでに届けた本は累計179万冊にのぼります。
読書のめぐみ運動は,出版各社より提供された本を、平素読書の機会に恵まれない人々に贈り、読書の喜びを味わってもらおうという趣旨のもと、1947年以来、読書週間(毎年10月27日から11月9日まで)の行事の一環として実施されています。
矯正施設(刑務所、少年院)への寄贈は、1947年、当時の国会図書館長であり読書週間実行委員長であった金森徳治郎氏が矯正施設を回った際、どの施設も図書が少ない実情を知り、東京出版協同組合に対して図書寄贈を依頼し、その趣旨に賛同した同組合が巣鴨刑務所へ寄贈したのが始まりです。
その後、1957年に金森氏が同運動を全国的なものにしたらどうかと助言され、法務省を通じて全国の矯正施設に対する寄贈が行われています。
1986年からは、日本出版クラブとの共催となりましたが、2009年3月に東京出版協同組合が解散したことから、同年からは日本出版クラブの単独開催となりました。2025年度まで、同運動による矯正施設への寄贈図書は90万冊余となっています。
平行して、絵本や児童書を中心に、東京都、埼玉県、大阪府、大阪市、京都府、箱根町の各自治体を通じて、児童福祉施設や母子生活支援施設(シェルター)などへも寄贈しており、一般書とあわせたこれまでの累計冊数は、179万冊におよびます。
会員各社はそれぞれの刊行物を寄贈、もしくは各施設に届けるための流通費を協賛金として寄付しています。
2025年度図書寄贈協賛社名(88社)はこちら
2025年度協賛金協力社名(18社)はこちら

日笠和彦矯正局長に贈呈図書の目録が手渡されました。
多摩少年院を視察して
日本出版クラブ 事業運営委員長 千倉成示
日本出版クラブでは毎年、全国の矯正施設へ図書を寄贈しております。今年2月には5,324冊を寄贈し、その目録を法務大臣へ贈呈する寄贈式に出席いたしました。その際に矯正施設視察のお話をいただき、このたび多摩少年院を訪問する機会を得ました。
「少年院」と聞くと、多くの方が高い塀に囲まれた厳しい施設を思い浮かべるのではないでしょうか。私自身もその一人でした。しかし、実際に足を運んでみると、さまざまな面で予想を覆されました。
まず驚いたのは、少年院が全国に40数か所あり、ほぼすべての都道府県に設置されていることです。そして全国の収容者数がおよそ2,000人である一方、職員数もほぼ同規模とのことでした。単純に人数だけを見れば、収容者一人に対して職員一人という計算になり、更生支援にいかに多くの人員と労力が投入されているかを実感しました。
また、施設内で出会った少年たちの姿も印象的でした。視察中にすれ違うたびに、全員が気合の入ったしっかりとした挨拶をしてくれたのです。勝手な先入観を持っていた自分を反省するとともに、更生に向けた日々の指導の成果を垣間見た思いがしました。
図書室では、出版クラブから寄贈した図書がきれいに整理されて並べられていました。職員の方のお話では、読書は収容者にも人気があり、貸し出しも活発とのことです。私たちが寄贈した本が、知識や教養だけでなく、自分自身と向き合う時間を与えているのだと感じ、大変うれしく思いました。
そして何より印象に残ったのは、少年院が「罪を償う場所」ではなく、「更生のための施設」であるということです。原則として約11か月のプログラムの中で社会復帰を目指し、退所へ向けた支援が行われています。その中で重要な課題となるのが、退所後の受け入れ先の確保です。保護者との関係が悪化していたり、引き取りを拒否されたりするケースも少なくなく、職員の方々は本人だけでなく家族との関係改善にも多くの時間を費やしていると伺いました。
今回の視察を通じて、更生とは本人の努力だけではなく、多くの職員や家族、そして社会全体の支えによって成り立つものであることを学びました。そして、読書がその一助となり得ることをあらためて実感した一日でした。出版に携わる者として、今後もこの活動を大切に続けていきたいと思います。


各寮をまわる「巡回図書」のワゴン
2025年度 図書寄贈協賛社名(50音順)
あかね書房 朝日新聞出版 秋田書店 池田書店 1万年堂出版 岩崎書店 岩波書店 潮出版社 NHK出版 大垣書店 オーム社 音楽之友社 偕成社 Gakken 風間書房 KADOKAWA 河出書房新社 金の星社 共立出版 教育芸術社 工藤出版サービス くもん出版 暮しの手帖社 建帛社 佼成出版社 講談社 光文社 国際紙パルプ商事 国土社 小峰書店 産労総合研究所(経営書院) CQ出版 集英社 小学館 小学館集英社プロダクション 祥伝社 昭文社 新生紙パルプ商事 新潮社 数研出版 成美堂出版 世界文化社 増進堂・受験研究社 第一出版 第三文明社 大修館書店 高橋書店 筑摩書房 チャイルド本社 中央公論新社 つり人社 東京創元社 東京堂出版 童心社 徳間書店 永岡書店 日教販 日本ヴォーグ社 日本紙通商 日本紙パルプ商事 日本教文社 日本実業出版社 日本文芸社 農山漁村文化協会 白泉社 ぴあ PHP研究所 ひかりのくに フォレスト出版 福音館書店 婦人之友社 双葉社 ブティック社 フレーベル館 文英堂 文化学園文化出版局 文藝春秋 文理 ベレ出版 ポプラ社 マガジンハウス 光村教育図書 緑書房 山川出版社 理論社 黎明書房
〈以上86社〉
2025年度 協賛金協力社名(50音順)
医歯薬出版 共同印刷 近代セールス社 実教出版 裳華房 成美堂出版 大日本印刷 ダイヤモンド社 ダヴィッド社 筑摩書房 日教販 日本加除出版 日本文教出版 ひかりのくに 富士経済グループ本社 フォレスト出版 文化産業信用組合 養賢堂
